日本瓦の屋根は、基本的には塗装不要
日本瓦はご存じの通り、日本家屋には多く使われている屋根材です。
基本的に、日本瓦の屋根は塗装の必要がありません。
漆喰の補修などのメンテナンスは必要ですが、耐水性に優れている反面、塗料も弾いてしまうため塗装を行っても定着しません。
色味を変えたいということであれば塗装をするケースはありますが、補修目的で塗装をすることは基本的にありません。
ただし「漆喰の補修は10~20年に一度必要」になります。また、20年も経過していたら、下葺き材(ルーフィング、野地板)なども寿命を過ぎていますので、瓦の葺きなおしをして、下葺き材を新しいものに葺きなおす工程が必要です。
セメント瓦、モニエル瓦は塗装必須
日本瓦(陶器瓦)が塗装不要なのはご説明した通りですが、陶器瓦ではない、セメント瓦、モニエル瓦は、塗装によるメンテナンスが必要になります。
セメント瓦、モニエル瓦の主成分はセメントです。それを塗膜で保護しているので、塗膜が薄くなると、水が浸み込み、セメントの主成分であるカルシウムが溶け出していきます。
そうすると、内部の強度が下がり、割れや欠けの原因になるので、定期的に塗装によるメンテナンスを行いましょう。
セメント瓦、モニエル瓦のメンテナンス方法
割れや欠けが起きないように、塗装でメンテナンスをする必要があるのですが、セメント瓦は「セメント瓦対応の屋根塗装用の塗料」で施工すれば問題ありません。
一方、モニエル瓦は、表面にスラリー層と呼ばれる層があり、これが塗料の付着を妨げてしまいます。そのため、モニエル瓦を塗装する際は、先に高圧洗浄機でスラリー層をしっかり落とすことが重要です。
また、スラリー強化プライマーという専用の下塗り材で、しっかりと塗装の下地を作った上で塗装工事をするなど、他の瓦とは違う工程が必要になります。
モニエル瓦は現在製造しているところも少なくなってきています。もし、塗装をご検討の際は、葺き替えなども併せてご検討ください。葺き替えで他の屋根材にすることで、先々のメンテナンスコストを抑えることもできますよ!
ニチハのパミールという屋根材は塗装NG
「パミール」は、1996年から2008年にニチハより製造されたスレート屋根材です。
現在は販売されておりませんが、施工10年前後でひび割れや剥がれなどの不具合が見つかることが多く、当時はテレビや新聞でも報道されました。
ニチハは窯業系サイディングで知られる最大手の外壁メーカーで、パミールも普及率の高い屋根材でした。
パミールの屋根は、劣化するとミルフィーユ状にパリパリと剥がれ落ちてしまいます。
屋根を塗装しても、屋根材そのものが割れて剥がれてしまうため、塗装による改善は望めません。
1996年から特に販売終了直前の2008年に建てられた家であれば、パミールが使用されている可能性がありますので、一度図面などで確認することをオススメ致します。
ご自宅の屋根がパミールかどうか分からないという方は、当店にご相談いただければ、屋根を拝見することで判別できますので、お気軽にお問い合わせください。
ジョリパッドは透湿性の高い塗料じゃないとダメ
ジョリパッドは、独特の質感でおしゃれな外壁材として一定の人気があります。ただこのジョリパッド。見た目はオシャレなのですが「汚れやすいという欠点」があります。
表面がざらざらしているので、どうしても汚れが残りやすのです。
汚れが目立ってきたからと塗装を検討中の方は、1点注意していただきたいことがあります。
それは「必ず透湿性の高い塗料を選ぶこと」です。ジョリパッドは土壁、漆喰などと同じで、壁自体が呼吸します。機密性の低い塗料を塗布してしまうと、膨れなどから、早期剥離が起きかねません。
もちろん、当店でご提案の際は、それを踏まえたうえで適切な塗料をご提案させていただきます。
直貼り工法の外壁には、透湿性の高い塗料を!
2000年以前に建てられた、外壁にサイディングを使っている家は、「直張り工法」で施工されている可能性が高く、それ以降の「通気工法」で建てられた家と決定的な違いがあります。
その違いの一つが、通気性です。直貼り工法は、通気性に乏しいため、サイディングの内側に湿気がたまることが多くあります。
内部にこもった湿気は、サイディング材から外に出てきますが、この時に、一般的な塗料では膨れが発生し、早期剥離が起きる可能性があるのです。
直貼り工法の外壁は、基本的には、塗装よりは、サイディングの張り替え、カバー工法が適しています。しかし、そうなると予算はぐっと高くなります。
(長い目で見れば、サイディング張り替えの方が安い場合もあるのですが💦)
直貼り工法のサイディング外壁を塗装するときは、透湿性の高い塗料で塗装することが重要です。
ご自宅が、直貼りかどうか、当店でお調べできますので、お気軽にご相談ください!